掲載情報 <東洋経済日報 2023年4月21日付文化面ひとサラム欄 著者が紹介されました>
一度ひとの心に植えつけられた、
自分より劣った人がいるという意識は抜きがたい――。
なぜこうまでして
生きねばならないか?
朝鮮半島南端の済州島と在日社会の戦時戦後を舞台に、放浪の巫女ミンスッから生まれた三姉妹の数奇な人生。ウォルミ、ウォルゲ、ウォリの娘たちに重くのしかかる暗い生活。
その根っこにある差別が、三姉妹の自我を押しつぶしていく様を観念的に描く。済州島の習俗や、日本の植民地統治、解放、済州島四・三事件、朝鮮戦争といった時代との結びつきも織り交ぜた小説。
(一) 兎山村
(二) 海女の喧嘩板
(三) 牛島
(四) 竜王祭
(五) お祓い
(六) 京城(ソウル)
(七) 妊娠
(八) 出稼ぎ
(九) 出産
(十) 長島
(十一) 悪霊祓い
(十二) テイニ
(十三) 君が代丸
(十四) スナニ
(十五) 猪飼野町
(十六) チフス
(十七) 占い
(十八) 市
(十九) 漢江
(二十) テイニ
(二十一) 徴用
(二十二) 天王寺駅
(二十三) パンツ屋
(二十四) 北海道
(二十五) 鉱山
(二十六) 廃墟の村で
(二十七) 竜宮
(二十八) 死と再生
(二十九) 南里峠
(三十) 逆瀬川
(三十一) 再会
(三十二) 帰国熱
(三十三) 終焉
(『地に舟をこげ 在日女性文学』掲載作品「夢の淵」改題)
著者紹介 金由汀(きむ ゆじょん)1950年生まれ。小説家。受賞作「むらさめ」(第28回部落解放文学賞入選 2002年)、「ぶどう」(第23回朝日新聞らいらっく文学賞入賞 2002年)。ほかに「113番」「タンポポ」「イカ釣り」(以上、Kindle版電子書籍)などがある。
2023年2月13日刊
セーチャメ 三姉妹
金由汀/著
定価=本体1500円+税 ISBN978-4-7845-1212-6 46判並製240頁
*電子書籍Kindle版も同日リリース!!
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*書籍『セーチャメ 三姉妹』のカバー折り返し紹介文の語句に誤りがありました。訂正しお詫び申し上げます。 (誤)開放 (正)解放