「袴田巖さんを救う会」で弁護士安倍治夫、菊田幸一両氏の補助者として40年余り活動してきた著者が、袴田事件の捜査記録を丹念に読み込み静岡地裁に提出した意見書(2012年)の記録全文を改定の上、日本の裁判制度における人権侵害の是正を求める法律改定の立案し、提案している。
目次
1章 冤罪を訴える人の支援に出会う
2章 袴田裁判の真実 事件の概要
1. 橋本家から使用中の包丁が消えていた
2.藤雄の遺体の状況
3.橋本藤雄の体から流れ出た血液の行方
4.ちゑ子と雅一郎の遺体の状態
5.扶示子の遺体の状態
6.橋本家の火災の状況は
7.袴田の犯行と矛盾する焼け残った時計が止まった時間
8.柱や鴨居の炭化深度からみる放火場所
9.勉強部屋への放火は何時行われたか
10.犯人が家族の体にまいたのはガソリンではなかった
11.裏木戸は逃走経路に使えなかった
12.犯行着衣が実際に受けた火災の影響
13.本件は単独犯では不可能
14.結 論
15.次の証拠調べを行えば藤雄の出血場所が裏付けられる
3章 袴田裁判と裁判制度
1.袴田裁判で警察が果たした役割
2.袴田裁判で検察が果たした役割
3.袴田裁判で裁判官が果たした役割
4.袴田裁判で弁護士の果たした役割
5.証拠隠し(全証拠の非開示)がもたらしているもの
6.人権からみた袴田裁判
7.証拠の全面開示を求める二つの方法
8.「刑事訴訟法」ならびに「公文書関連法」「再審」「国家賠償法」に関する立法を
4章 「刑事訴訟法」ならびに「公文書関連法」「再審」「国家賠償法」に関する提案
第1 証拠開示と再審に関する緊急の法改正
1. 証拠開示の規定
2.死刑を50年間停止する。
3.再審に関しての規定
第2 刑事訴訟法や公文書関連法、再審に関する立法、国家賠償法などの改定
1.取り調べと供述調書に関する規定(刑事訴訟法に追加する)
2.公文書館が設立され、すべての公文書が保管され、公開されるまでの刑事訴訟法における司法警察員と検察官の職責と「証拠開示」の規定
3.公文書関連法の制定
4.再審に関する立法
5.国家賠償法 第六条〔冤罪被害者に対する年金支給〕として追加
2023年9月11日刊
こがね味噌会社専務一家刺殺放火事件と袴田裁判の真実—ならびに「刑事訴訟法」「公文書関連法」「再審」「国家賠償法」に関する提案
白砂巖 /著
定価=本体1000円+税 ISBN978-4-7845-2419-8 A5判ブックレット72頁
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