|刊行情報| Four Plays of Minoru Betsuyaku Translated by Masako Yuasa (湯浅雅子の訳した別役実の戯曲) 湯浅雅子/著

Contents

FRONTISPIECE ………. 3
FOREWORD ………. 11
PREFACE ………. 15
ACKNOWLEDGEMENT ………. 16

Chapter One
INTRODUCTION
[I] Biography of Minoru Betsuyaku until 1990 ……… 19
[II] Betsuyaku’s theatre ………. 33
[A] Beckett’s Influence and Post-Beckett ………. 35
[B] Betsuyaku’s Plays ………. 42
(1) The first Period: 1960-August 1973 ………. 42
(2) The Second Period: September 1973-1980 ………. 45
(3) The Third Period: 1981-1988 ………. 49

Chapter Two
FOUR PLAYS OF MINORU BETSUYAKU
[I] The Kangaroo ………. 59
[II] I am the Father of the Genius Idiot Bakabon …..137
[III] A Corpse with Feet ………. 195
[IV] The Story of the Two Knights Travelling around the Country ………. 227

APPENDIX [I] ………. 285
APPENDIX [II] ………. 289
BIBLIOGRAPHY ………. 313

*本書は全編英文。


*井上理惠氏(桐朋学園芸術短期大学名誉教授)による序文より

湯浅雅子さんとは、1995年に彼女が研究休暇で日本へ帰国したとき、鳥越文藏先生に紹介されて知り合った。その頃私は地方大学に勤務していたからしょっちゅう会うことは出来なかったが、97年にロンドン大学SOASにvisiting fellow で滞在した時、リーズを訪ね、さまざまな話をして修士論文が清水邦夫論で、博士論文が別役実論だと、聞いた。その博士論文が今回の本である。

清水邦夫から別役実へ進んだのは、何故かと聞いたら、「戯曲を理解して素直に舞台化すると自ずと彼らの劇世界が出来てくる。」「日本語は迂遠な表現が多いから英訳は大変なのだが、彼らの日本語は英語にしやすい」からだという。

二人の戯曲は抽象度が高いから「素直に舞台化」できるかどうかはいささか疑問だが、彼らの戯曲は、詩的でしかも口の端に乗りやすい。読むにせよ演ずるにせよ、やりがいがある対象だ。劇に対する彼女のセンスの良さが伺われるところだろう。

(中略)

別役実は、学生時代にカフカやベケットに傾倒した。戯曲にはその影が見受けられ、抽象的で分かりにくい作もある。1961年に「AとBと一人の女」で劇作家のスタートを切り、日本の小劇場演劇運動の先頭を歩いた一人である。論文執筆時が80年代後半であるため別役作品の内、比較的理解しやすい作品、60年代から「カンガルー」、70年代から「天才バカボンのパパなのだ」、80年代から「足のある死体」、「諸国を遍歴する二人の騎士の物語」の4作が選ばれている。


2024年1月16日刊行
Four Plays of Minoru Betsuyaku
Translated  by Masako Yuasa
(湯浅雅子の訳した別役実の戯曲)
湯浅雅子/著
定価=本体3200円+税 ISBN978-4-7845-1167-9 A5判並製320頁

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