思想レベルの相互理解に「宗教」が果たす役割とは?
アジア宗教平和学会は、宗教に内在する、世俗国家の絶対化を否定し国家を相対化する視点、国家の枠組みを超えた多様な人々の対話による人間的相互理解の深化と連帯、赦しと和解、他者優先・共生等をアジア地域において共同で検討し、非暴力による平和構築の実現に貢献するために、数年間にわたって学術交流を深めてきた。本書は、「宗教における何が平和をつくるのか」という課題に多面的角度から応えた研究報告である。
*日韓共同出版企画(韓国版 モシヌンサラムドゥル社)
目次
第一部 平和の理論
第1章 平和が宗教だ 宗教が平和的な力の源であるための論理的な模索 *李賛洙(イ·チャンス、延世大学専門研究員)
第2章 「生を生かす」平和 カトリックと平和学的考察を通じた平和の概念探索 *孫瑞廷 (ソン・ソジョン、 カトリック大学講師)
第3章 世俗化論の意義 *寺林脩 (てらばやし・おさむ、元大谷大学教授)
第4章 宗教の平和思想が韓半島の平和教育に与える含意 *車承柱 (チャ・スンジュ、江原大学客員研究員)
第二部 平和構築の現場
第5章 ファシズム政治と宗教 *梁権錫 (ヤン・グォンソク、聖公会大学名誉教授)
第6章 水俣病運動における平和共生思想とその実践 「本願の会」の活動を中心に *北島義信 (きたじま・ぎしん、四日市大学名誉教授、アジア宗教平和学会会長)
第7章 平和構築を宗教から考える 真宗僧侶・高木顕明を通して *尾畑文正 (おばた・ぶんしょう、同朋大学名誉教授)
第8章 済州島四・三事件と平和 *安信 (アン・シン、培材大学教授)
2024年9月4日刊
平和構築の原動力としての宗教 アジアの社会政治背景を中心に
アジア宗教平和学会/著
定価=本体2000円+税 ISBN978-4-7845-1390-1 A5判並製176頁
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