清晌一郎(せい・しょういちろう)編著『日本自動車産業の海外生産・深層現調化とグローバル調達体制の変化 ──リーマンショック後の新興諸国でのサプライヤーシステム調査結果分析』(カバーデザイン 後藤トシノブ)が刊行されました。目次詳細、執筆者13名の略歴、編者による解説をお伝えします。
グローバル展開をとげる自動車産業の資材・部品調達システムはどうなっているのか。インド、インドネシア、ベトナム、タイ、メキシコ、ブラジルなどの企業調査から、リーマンショックの後、激変する世界の自動車産業の海外オペレーションの実態を解明。
編者解説
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本プロジェクトの調査・研究の具体的な出発点は、中国自動車産業に続いて次第に成長を始めたASEAN地域に着目し、インド、インドネシア、タイ、ベトナム、台湾、そしてメキシコと、新興諸国における自動車産業発展の現状を調査することにおかれた。このなかで、比較的歴史のあるタイ、インドネシアと、新興の中国・インドは当然状況が異なっていることが想定され、特に後者は産業基盤はぜい弱であり、設備機械・治工具や金型などの調達、部品やボディ関係の加工品などの調達、技術者・マネージャー、現場作業者などの人材確保など、あらゆる側面で蓄積が不足しているものと思われた。これらの国々で、果たしてどのような形で産業基盤の移転・定着と発展が可能であるか、新興国の低コストへの対応はどのように可能か、我々にとっては非常に関心を呼ぶテーマだったのである。
本書を構成する各論文は、かなりの幅があるこれら諸問題について、参加メンバーのそれぞれが独自の視点で執筆したものである。新興国を中心とした海外渡航調査結果の分析を行い、グローバルな視点からサプライヤーシステムの変化に着目し、それぞれの問題関心に沿って執筆したこれらの論文は、独自に視点に基づいた論考である。
本書を取りまとめてみた結果、編集の最終段階になって次第に重要な事実が明らかになってきた。それは、日本自動車産業のグローバル生産拡大の中で、日系自動車メーカーと日系部品メーカーとの取引が巨大なものとなっており、海外進出日系企業は、その中にいるだけで充分にビジネスが成立するだけの枠組みが成立しているという点にある。本書の成立した経過との関係でいえば、「中国・インドにおいて日本的生産方式の移転が成立するか」という問いに対して、「日系企業同士の巨大な取引ネットワークの形成」がその回答だったということである。この内容の分析は今後の課題である。ともあれ「日本的生産方式の移転」が「日系企業同士の取引ネットワークのグローバルな拡大」によって可能となるという、この重要な傾向を提示できたことは、本書の最大の成果だったということができるかもしれない。
清晌一郎(せい・しょういちろう)
※「しょう」の字は「日」+「向」です。
清晌一郎(せい・しょういちろう)/編著
日本自動車産業の海外生産・深層現調化とグローバル調達体制の変化
──リーマンショック後の新興諸国でのサプライヤーシステム調査結果分析』
社会評論社・刊 2017年
定価=本体4,800円+税 ISBN978-4-7845-1845-6
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目次
第Ⅰ部 総論
第1章
海外現地生産における「深層現調化」の課題と巨大「日系系列」の形成
清晌一郎
1 リーマンショックを契機とした海外部品調達構造の転換
(1)2007年を契機とする輸出・出荷動向の転換
(2)貿易統計による検証
2 深層現調化を必要とする理由=見かけの現調率と現地生産のコスト高
(1)日本からの輸入による現調率低下とコスト上昇
(2)急速な円高=現調化の現実的契機
(3)価格引き下げの合理的根拠の形成
3 「深層現調化」への多様な取り組みと「日系系列」の形成
(1)現地企業の発掘と育成
(2)日系1次サプライヤーの現地生産拡大
(3)現地生産に伴う内製化
(4)日系2次・3次サプライヤーの現地進出
(5)CKDの要因とグローバル調達
4 日本的な「企業化取引関係」と「職種構造」の特質
(1)企業間取引関係の特質
(2)日本的職種構造の特質
まとめ
第2章
グローバル生産ネットワークのリデザインとインテグレーション ──生産・調達・開発のリンケージとしてのロジスティクス戦略の再考
具承桓
1 問題提起:研究背景と目的
2 先行研究のレビューと限界
(1)企業活動のグローバル化実態と範囲:世界のフラット化 vs.「regionalization process」
(2)グローバル生産とロジスティクス機能の重要性
(3)自動車産業の物流及びロジスティクスに関する研究
3 GPNとGSCMの統合機能としてのロジスティクス戦略
(1)トヨタ自動車の海外現地生産史からの示唆
(2)GSCM構築:4つのジレンマと課題
(3)GPNにおける生産分業とロジスティクスの機能
(4)GSCMと開発のリンケージ:ロジスティクスのための開発(Design for Logistics)
5 結論に代えて
第Ⅱ部 日系自動車メーカーのグローバル生産展開とサプライヤーシステム管理
第3章
トヨタのグローバルサプライチェーンマネジメント
富野貴弘・新宅純二郎・小林美月
はじめに
1 トヨタの生産・販売拠点のグローバル展開
2 トヨタのグローバルSCMの実態と特徴
(1)日本市場
(2)米国市場
(3)欧州市場
(4)中国市場
3 トヨタのグローバルSCMの考察
(1)月度生産計画の策定
(2)各国の市場特性に合わせた計画修正
まとめ
第4章
スズキ45%のインド市場の急成長とトヨタの適応 ──イノベータのジレンマに陥るも進む能力構築とジレンマ克服の展望
野村俊郎
はじめに
1 スズキがシェア45%を維持したまま急成長を遂げたインド乗用車市場〜300万台に迫る市場で繰り広げられる1強5弱の競争
(1)21世紀に入って70万台から280万台へ4倍化、2021年には500万台へ
(2)インドから始まるスズキの「21世紀のプロダクトサイクル」とトヨタ、ホンダの動向
(3)メーカー別〜シェア4割、100万台超で他社を圧倒するスズキと7位に沈むトヨタ〜
(4)セグメント別
2 トヨタのIMV&EFC戦略の限界と新たな挑戦
(1)イノーバ(IMV5)はUVセグで2位と好調、グローバルでも2位のインドネシアと並ぶ
(2)徹底した製造のコストダウンで高い利益率を達成〜IMVを生産するTKM第1工場〜
(3)8割の現調率、うち4割は純ローカル長距離輸送でもJITを実現するTLI
(4)長距離陸上輸送でもJITを実現するTLI①
(5)長距離陸上輸送でもJITを実現するTLI②
(6)インド市場におけるIMVの限界
(7)EFC(エティオス、同リーバ、同クロス)
(8)エティオス・リーバ
(9)アローアンスの最小化〜エティオスにおける企画・設計ルーチンの進化〜
(10)イノベーションとしてはラジカルだが限界あり
(11)インドでのサプライヤー支援〜SPTTとオンサイトサプライヤー〜
おわりに
第5章
サプライヤーとの協力体制の刷新──AAT:A-ABC活動を中心にして
木村 弘
はじめに
1 研究の背景
(1)マツダ全社の概要
(2)タイにおける生産活動
2 サプライヤーとの新たな関係構築
(1)サプライヤー関係
(2)A-ABC(J-ABC)活動の概要
(3)A-ABC活動の実際
3 事例研究
(1)分析枠組みの提示
(2)サプライヤーの類型化
(3)現地サプライヤー
4 考察
(1)サプライヤー関係からの考察
(2)組織における基軸
(3)企業の成長プロセス
むすびにかえて
(1)関係刷新の効果
(2)社会的交換としてのABC活動
第6章
タイ洪水危機にみるサプライヤーシステムの再現性 ──ホンダのケース
中山健一郎
はじめに
1 タイ洪水危機の概要
(1)7工業団地の被害概況
(2)日系自動車メーカーへの影響とタイ政府の緊急対応
(3)小括
2 危機対応の生産システム
(1)危機・危険とは何か
(2)危機対応の生産システム
(3)小括
3 ホンダグループの危機対応
(1)HATCの危機対応
(2)物流会社の危機対応
(3)部品サプライヤーA社、B社の対応
(4)小括
まとめ 危機対応の生産システム・サプライヤーシステムと深層現調化
第7章
アジア最後のフロンティア、ミャンマーの自動車・部品産業とその特徴
小林英夫
はじめに
1 ミャンマー産業概況
(1)全般的状況
(2)企業進出概況
2 工業団地の開設と企業誘致
(1)立地条件
(2)工業団地概要
3 ミャンマーの自動車市場
(1)ミャンマー自動車市場
(2)増加する中古車
(3)日本自動車企業の進出の現状と問題点
(4)外資系企業の進出の現状
(5)ミャンマー企業の現状
(6)自動車部品産業の現状
4 ミャンマー自動車産業の現状と将来の施策
(1)産業インフラの整備
(2)自動車市場の拡大
(3)現地生産の動きと障害
おわりに
第Ⅲ部 サプライヤーのグローバル経営とサプライヤーシステムの変貌
第8章
新しいリージョン・産業集積地における複合リンケージSCM戦略 ──メキシコ自動車産業と日系サプライヤーの事例から読み解く
具承桓
はじめに:問題意識と問いかけ
1 先行研究の検討と研究視点・データ
(1)サプライヤーシステムの構造と変貌に関する研究の検討
(2)企業活動のグローバル化とグローバルサプライチェーンに関する議論の検討
(3)研究方法とデータ
2 メキシコ自動車産業と同部品産業の現状と問題
(1)メキシコの競争優位性と戦略的位置
(2)メキシコ自動車産業の概要
(3)メキシコ自動車部品産業の実態
3 事例考察:新しいリージョンにおける生産展開と実態、そして新たな成長の機会
(1)Tier2サプライヤー A社の事例
(2)Tier1.5 サプライヤーX社の事例
(3)Tier1サプライヤー Y社の事例
(4)その他:賃加工企業の事例
4 発見事実とGNP時代の海外生産・取引展開モデル
(1)発見事実
(2)GNP時代の海外生産展開と取引展開モデルの提示:新たなビジネスチャンス
5 まとめとディスカッション:複合的なリンケージSCM
(1)GPNの深化と複合リンケージ(complex linkage)SCM戦略
(2)新産業集積地進出企業に求められる組織能力:リコンビネーション・ケイパビリティ
(3)今後の課題
第9章
日系Tier 1の少ない南米自動車市場の急成長と非日系調達への適応 ──欧米系、現地系からでも日系並みを実現するトヨタの部品調達
野村俊郎
はじめに
1 ブラジル、アルゼンチンが主導する南米自動車市場の成長
(1)みかけの数値以上に大きなブラジル経済の減速〜自動車市場の規模も4位から7位に後退〜
(2)ドル換算名目GDPと国内自動車販売の回復がパラレルに進めば2021年には280万台に回復
(3)ALADI均衡係数の範囲内でFTA化されたブラジル、アルゼンチン市場の相互補完的成長
2 メーカー別の動向
(1)急成長前は欧米Big4がブラジル市場を支配
(2)急成長の過程で欧米Big4に現代、ルノー、トヨタ、ホンダが挑む新たな競争が始まる
(3)アルゼンチンでは欧米Big4にトヨタ、ルノー、プジョー・シトロエンが並ぶ
3 シェア競争では苦戦する南米でも進むトヨタの能力構築
(1)南米での非系列部品調達
(2)系列調達のインドネシア、非系列調達のアルゼンチン〜現地調達環境への適応〜
(3)「設計チェックシート」を組み込んだ図面承認手順
(4)欧米系、現地系でもTSを実現するSPTT〜部品調達でも進むトヨタの能力構築〜
おわりに
第10章
アジアにおける日系中小サプライヤー間の連携可能性 ──タイ進出企業を事例に
兼村智也
はじめに
1 先行研究と分析視点
(1)SCM戦略がもつ意義・メリット
(2)工程間連携のメリット
(3)日本における工程間連携の現状とその理由
(4)海外における工程間連携の可能性
(5)分析の視点
2 タイにおける経営環境の変化
(1)中小企業の進出動向
(2)市場環境の変化
(3)現地日系企業の業績
3 企業事例
おわりに
第11章
中小部品サプライヤーの海外進出支援プラットフォーム ──T通商テクノパーク(インドネシア)のケース
遠山恭司
はじめに
1 中小製造業の海外直接投資と事業環境の変化
(1)データからみた直接投資
(2)甘かった現地コストから深層原調化への大転換
2 中小企業の海外進出プロセス出る選択・出ない選択
(1)海外進出したケース
(2)海外進出していないケース
3 中小部品サプライヤー向け海外進出支援プラットフォーム:T通商テクノパーク
(1)テクノパーク(インドネシア)の概要
(2)提供サービスの特徴と利用側のメリット
おわりに
第12章
生産組織の日本的特徴とその移転可能性 ──国際比較による日本的生産方式を支える組織編成の検討
田村 豊
はじめに
1 検討視角の設定と先行研究・検討方法
(1)先行研究
(2)検討の方法生産職場の分業・連携と標準作業の管理
2 調査結果各工場における標準作業の管理プロセスの状況
(1)概観
(2)各工場の状況
(3)調査からの示唆
(4)日本との比較
3 検討分化・連携するエンジニアの役割
(1)リーン生産の導入で変化する生産エンジニアの活動領域製造領域への分化と連携
(2)生産技術・製造技術・作業遂行の連携機能によるフィードバック経路の構築
(3)組織的フィードバックによる経験の継承
(4)「書き入れ」による生産過程からの情報追加と修正
(5)製造技術がもつブリッジ機能とその優位性
(6)SPS、セル方式と製造技術
(7)“製造技術”はキャリアか機能か
4 重要性となる技術選択と必要な組織対応
まとめにかえて 日本企業の分業と連携をどのように支えるか
第13章
深層現調化に見る「ヒトとサプライヤーの育成」 ──タイにおける日本型組織編成原理の発現
中川洋一郎
はじめに 深層現調化という名の「ヒトとサプライヤーの育成」
1 1997年アジア通貨危機後の日系自動車産業の途上国展開
(1)現地の地場メーカーからの調達拡大の困難性
(2)2000年代初頭におけるタイ部品メーカーのQCDの遅れ
2 ヒトとサプライヤーの育成
(1)日系メーカー社内の人材育成
(2)サプライヤーの育成
3 欧米企業によるシステム化
(1)「ヒトとサプライヤーを入れ替えて機能させる」という、欧米型システム
(2)「ヒトとサプライヤーを育成して機能させる」という、日本型組織
(3)日本型組織とその移転現場監督者育成の難しさ
おわりに 正反対の組織編成原理「ヒトを育てる」日本型と「ヒトを選別する」欧米型
執筆者
編者
清晌一郎(せい・しょういちろう)
◆はしがき◆第1章
1946年生まれ。関東学院大学経済学部教授。横浜国立大学経済学部経済学科卒業。㈶機械振興協会経済研究所研究員を経て現職。編著に『日本自動車産業グローバル化の新段階と自動車部品・関連中小企業─1次・2次・3次サプライヤー調査の結果と地域別部品関連産業の実態』(社会評論社、2016年)、『自動車産業における生産・開発の現地化』(社会評論社、2011年)。共著に『地域振興における自動車・同部品産業の役割』(小林英夫・丸川知雄編著、社会評論社、2007年)。主要論文に「曖昧な発注、無限の要求による品質・技術水準の向上」『中央大学経済研究所研究叢書』21、1990年、「価格設定方式の日本的特質とサプライヤーの成長発展」『関東学院大学経済経営研究所年報』第13号、1992年、「基本要素の確立による生産のシステム化」関東学院大学『経済系』177集、1993年、「契約の論理を放棄した『関係特殊的技能』論」『関東学院大学経済経営研究所年報』第24号、2002年ほか。
分担執筆者(50音順)
兼村智也(かねむら・ともや)
◆第10章
1962年生まれ。松本大学総合経営学部教授。早稲田大学大学院アジア太平洋研究科修了(学術博士)。㈱富士総合研究所(現・みずほ総合研究所/みずほ情報総研)を経て現職。単著に『生産技術と取引関係の国際移転─中国における自動車用金型を例に』柘植書房新社(平成26年度、一般財団法人商工総合研究所中小企業研究奨励賞準賞)。共著に『日本自動車産業グローバル化の新段階と自動車部品・関連中小企業─1次・2次・3次サプライヤー調査の結果と地域別部品関連産業の実態』(清晌一郎編著、社会評論社、2016年)、『金型産業の技術形成と発展の諸様相─グローバル化と競争の中で』(馬場敏幸編著、日本評論社、2016年)、『中国産業論の帰納法的展開』(渡辺幸男・植田浩史・駒形哲哉編著、同友館、2014年)ほか。
木村弘(きむら・ひろし)
◆第5章
1973年生まれ。広島修道大学商学部准教授。中小企業経営論。九州大学大学院経済学研究科博士後期課程単位取得退学。広島大学大学院社会科学研究科マネジメント専攻博士課程後期修了。博士(マネジメント)。共著に『中小企業経営入門』(井上善海・木村弘・瀬戸正則編著、中央経済社、2014年)。主要論文に、「理念がつなぐ組織づくり」『九州経済学会年報』第15集、2016年、「経営戦略の策定と生産現場づくり」『日本経営診断学会論集』第15集、2015年、「自動車部品サプライヤー・ネットワークの多面的分析視座」『経営教育研究』Vol.16、No.2、2013年ほか。
具承桓(ぐ・すんふぁん)
◆第2、第8章、あとがき
1968年韓国釜山生まれ。京都産業大学経営学部・大学院マネジメント研究科教授。1997年来日。東京大学大学院経済学研究科博士課程修了、博士(経済学)。2003年京都産業大学経営学部専任講師として着任後、准教授を経て現職。単著に『製品アーキテクチャのダイナミズム─モジュール化・知識統合・企業間連携』(ミネルヴァ書房、2008年)。共著に『コアテキスト 経営管理』(高松朋史と共著、第5〜8、10〜12章担当、新世社、2009年)。共編著に『ICTイノベーションの変革分析─産業・企業・消費者行動との相互展開』(藤原雅俊と共編著、はじめに、第4、終章担当、ミネルヴァ書房、2012年)、”The rise of the Korean Motor Industry”(Paul Nieuwenhuis & Peter Wells (eds). The Global Automotive Industry. Wiley, 2015)。主要論文に「現代自動車グループのモジュール生産戦略の展開とその特徴」『研究 技術 計画』第30巻第3号、201-216:2015年ほか。
小林英夫(こばやし・ひでお)
◆第7章
1943年生まれ。東京都立大学大学院社会科学研究科博士課程単位取得退学。早稲田大学自動車部品産業研究所顧問。著書に『産業空洞化の克服』(中公新書、2003年)、『アセアン統合の衝撃』(西村英俊・浦田秀次郎と共著、ビジネス社、2016年)、『ASEANの自動車産業』(西村英俊と共編、序章・第七章・第8章担当、勁草書房、2016年)ほか。
小林美月(こばやし・みずき)
◆第3章共著
1984年生まれ。立命館大学経済学部准教授。主要論文に「立地特性と現地サプライヤー関係─中国日系電子機器メーカーの事例」『国際ビジネス研究』 第5巻第2号、2013年、「取引関係からみる中国企業の人事施策─ソフトウェア企業の事例」『国際ビジネス研究』第4巻第2号、2012年ほか。
新宅純二郎(しんたく・じゅんじろう)
◆第3章共著
1958年生まれ。東京大学大学院経済学研究科教授。単著に『日本企業の競争戦略』(有斐閣、1994年)。共編著に『ものづくりの国際経営戦略』(有斐閣、2009年)、『ものづくりの反撃』(筑摩書房、2016年)ほか。
田村豊(たむら・ゆたか)
◆第12章
1960年生まれ。愛知東邦大学教授。明治大学大学院経営学研究科修了。博士(経営学)。共著に「海外進出の生産マネジメントへのインパクト─日本型管理分業への着目とその評価」(清晌一郎編著『自動車産業における生産・開発の現地化』2013年、社会評論社)、「成長をどのように維持させるのか─リーマンショック以降の愛知の自動車部品メーカーの動向を振り返る」(清晌一郎編著『日本自動車産業グローバル化の新段階と自動車部品・関連中小企業─1次・2次・3次サプライヤー調査の結果と 地域別部品関連産業の実態』2016年、社会評論社)。主要論文として「スウェーデン型組織の成り立ちと構造─生産組織の編成原理モデル化への試み」社会政策学会誌『社会政策』第5巻第1号、2013年ほか。
遠山恭司(とおやま・きょうじ)
◆第11章
1969年生まれ。立教大学経済学部教授。中央大学大学院経済学研究科博士後期課程単位取得退学。共著に、『日本自動車産業グローバル化の新段階と自動車部品・関連中小企業』(清晌一郎編著、社会評論社、2016年)、『中国産業論の帰納法的展開』(渡辺幸男ほか編、同友館、2014年)。主要論文に「自動車部品サプライヤーの全体像把握に関する基礎データ:リーマン・ショック後、グローバル化時代の部品産業の動向」『中央大学経済研究所年報』第48号、2016年、「トヨタ・日産・ホンダ系サプライヤーシステムにおける中小自動車部品メーカーの特徴」(共著)『立教経済学研究』第69巻第1号、2015年ほか。
富野貴弘(とみの・たかひろ)
◆第3章共著
1972年生まれ。明治大学商学部教授。同志社大学大学院博士課程修了。博士(経済学)。主要著作として、単著として『生産システムの市場適応力』(同文舘出版、2012年)。共著として『日産プロダクションウェイ』(下川浩一・ 佐武弘章編著、第7章担当、有斐閣、2011年)、『日本のものづくりと経営学』(鈴木良始・那須野公人編著、第3章担当、ミネルヴァ書房、2009年)ほか。
中川洋一郎(なかがわ・よういちろう)
◆第13章
1950年生まれ。中央大学経済学部教授。東京大学大学院社会学研究科国際関係論専攻博士課程単位取得退学。パリ(I)大学第三期課程博士(経済史学)。著書に『フランス金融史研究─《成長金融》の欠如』(中央大学出版部、1994年)、『ヨーロッパ《普遍》文明の世界制覇─鉄砲と十字架』(学文社、2003年)、『環境激変に立ち向かう日本自動車産業』(池田正孝と共編著、中央大学出版部、2005年)、『ヨーロッパ経済史Ⅰ・Ⅱ』(学文社、2011・2012年)ほか。論文に、「地球環境の悪化とユダヤ・キリスト教の人間中心主義─文明の(だが、同時に環境破壊の)起源としての遊牧」『経済学論纂』57(3・4)、中央大学、2017年ほか。
中山健一郎(なかやま・けんいちろう)
◆第6章
1968年生まれ、札幌大学地域共創学群教授。名古屋市立大学大学院経済学研究科博士後期課程単位取得退学。編著に、『自動車委託生産・開発のマネジメント』(塩地洋と共編著、第1章、第8章担当、中央経済社、2016年)、『品格経営の時代に向けて』(武者加苗・菊池武と共編著、第1章、第5章担当、日科技連出版社、2015年)、共著に、『中国におけるホンダの二輪・四輪生産と日系部品企業』(出水力編著、第4章を担当、日本経済評論社、2007年)。主要論文に「日本自動車産業の委託生産の生成─トヨタ、日産、本田を中心として」『産研論集』No.50号、2016年ほか。
野村俊郎(のむら・としろう)
◆第4、第9章
1959年生まれ、鹿児島県立短期大学教授。立命館大学大学院経済学研究科博士後期課程単位取得退学。論文により京都大学博士(経済学)。単著に『トヨタの新興国車IMV〜そのイノベーション戦略と組織〜』(文眞堂、2015年)。共著に『ビジネスガイド・インドネシア』(尾村敬二編、日本貿易振興会、1996年)、AFTA(ASEAN自由貿易地域)─ASEAN経済統合の実状と展望』(青木健編、日本貿易振興会、2001年)、『中国・日本の自動車産業サプライヤー・システム』(山崎修嗣編、法律文化社、2010年)、『欧州グローバル化の新ステージ』(朝日吉太郎編、文理閣、2015年)、『トヨタ快進撃の秘密』(洋泉社、2015年)ほか。