機械翻訳がひらく可能性とそこに潜む問題点をめぐって、文学、言語学、哲学の若手研究者が論究したワークショップの成果。
瀧田 寧・西島 佑/編著
機械翻訳と未来社会
──言語の壁は なくなるのか
四六判並製 240頁 定価:本体2000円+税
ISBN978-4-7845-1744-2 2019年7月中旬刊予定
Machine Translation and Future Society :
Will We See a World Without Language Barriers in the Future?
▪巻頭言
機械翻訳はバベルの塔を再建するか
▪序 章
機械翻訳をめぐる議論の歴史
▪第1章
機械翻訳とポライトネス
機械翻訳に反映させるべきポライトネスとその手法に関する一考察
▪第2章
機械翻訳の限界と人間による翻訳の可能性
▪第3章
機械翻訳は言語帝国主義を終わらせるのか
そのしくみから考えてみる
各章は論文、それに対するコメント、コメントへの応答で構成。
[座談1]本書への誘い
[座談2]機械翻訳が普及した未来社会
コラム 機械翻訳はここまで可能になった
▪エピローグ
コミュニケーションの入口としての機械翻訳
▪執筆者
瀧田 寧(日本大学商学部准教授、西洋哲学)
西島 佑(上智大学総合グローバル学部特別研究員P
D、政治哲学)
羽成拓史(明治学院大学講師、社会言語学)
瀬上和典(東京工業大学講師、アメリカ文学)
▪協力者
木村護郎クリストフ(上智大学外国学部ドイツ語学科教授)
隅田英一郎(国立研究開発法人情報通信研究機構フェロー)
生田少子(明治学院大学文学部英文学科教授)
鈴木章能(長崎大学大学院多文化社会学研究科・教育学部教授)
塚原信行(京都大学国際高等教育院附属国際学術言語教育センター准教授)
機械翻訳は、今後ますます精度を上げることで、言葉の壁を低くすることはできるだろう。壁が低くなれば、これまで以上に深く広く異なる文化を知る機会が増えることは期待できる。
ところで異文化を「知る」ということは、そこに言葉の違いという壁、習慣の違いという壁の存在を感じ続けることでもある。
機械翻訳が普及した未来においては、言葉の壁が取り払われた社会ではなく、言葉や文化の取り払うことができない壁の存在を認め合う社会であってほしいと思う。([あとがき]より)
★2019年7月中旬発売予定。全国の書店で予約が可能です。