書評掲載 ・『歴史学研究』2023.11(No.1042)蔣允杰氏評 ・「重要な地域事例通じ史実鮮明に」(洪昌極氏評)しんぶん赤旗 2020年9月27日付
日本植民地支配下の朝鮮で、全人口の五分の一に上る五〇〇万人の朝鮮人農民が海外に流浪した。朝鮮一三道のうち、江原道は死亡率が朝鮮で最も高かった。それは農民の「食」と関係しており、朝鮮内でも火田民(焼き畑農業者)が多かった。江原道に行き、文献を探して、日本植民地下の農民生活を中心にした論文を書き続けてきた著者の仕事をまとめた実証的な歴史研究の書。
[目次]
第1章 植民地末期の朝鮮農民と食─江原道農民を事例として
第2章 江原道における韓国併合反対独立戦争─一九〇七~一九一三年
第3章 一九三〇年代の江原道邱井里の農民生活について
第4章 一九三〇年代の江原道医療状況と朝鮮農民
第5章 朝鮮総督府の麻薬政策と朝鮮人の麻薬患者
第6章 江原道における日本への強制労働動員
第7章 江原道における敗戦直前直後地方権力の移行と労働動員
第8章 江原道小作・火田農民 朴慶雨・李成順ご夫婦の証言
補章 戦時末期朝鮮邑面の機能と朝鮮人民衆との乖離について
著者 樋口雄一(ひぐち・ゆういち) 一九四〇年生まれ。高麗博物館館長 在日朝鮮人運動史研究会会員 著書『協和会─戦時下朝鮮人統制組織の研究』『戦時下朝鮮農民生活誌』『金天海─在日朝鮮人社会運動家の生涯』(社会評論社)、『日本の朝鮮・韓国人』『日本の植民地支配と朝鮮農民』(同成社)、『戦時下朝鮮民衆と徴兵』(総和社)ほか
四六判上製/ 280 頁/定価: 本体2,600 円+ 税 ISBN978-4-7845-1210-2
2020年3月上旬刊行予定
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