|刊行情報| もう一度…やり直しのための思索 フーコー研究の第一人者による7つのエッセイ マチュー・ポット=ボンヌヴィル/著 村上良太/訳 社会評論社

人生も世界もまだ終わっていない。
日本人にとっては恐らく歴史上初めて西欧人のしぶとさの思想的背景を知ることができる。

四六判120頁/定価:本体1300円+税
ISBN978-4-7845-1870-8
2020年5月刊 Amazon予約受付中


本書は社会の再構築から人生や家族のやり直しまで、「やり直す」とはどういう営みかを思索したエッセイ集である。しぶとく理想を実現する欧州人の頭脳を見える化した最良の本だ。(訳者=村上良太)


目次


1, 編み直し Reprise
◦ラッセルがフレーゲに宛てた不吉な手紙
◦「ラッセルのパラドックス」がフレーゲの企てを直撃
◦不屈の男、ラッセルの「やり直し」
◦「3月ウサギ」たちの逃走

2、 再生 Renaissance
◦もう一度始めることは可能か? ─形式主義をどう振り払うか?
◦始まりは一度しかない
◦政治の語源には「始める」という意味があった -ハンナ・アレント-
◦すべては始めなくてはならない

3 初期段階 Balbutiements
◦始める、ということ
◦始めることと、第一歩を踏み出すこと
◦デカルトの「最初の瞑想」までの長い時間
◦チェーザレ・パヴェーゼの苦しみ

4 続行 Continuation
◦再開は継続ではない
◦ベケットの「名付け得ないもの」の絶え間ない声
◦むしろ、完全に失敗することが再開の条件

5 反復  Répétition
◦ラカンの「知っていると想定される主体」とその転落
◦1990年代のAct-Up Parisの活動家たちによるエイズとの闘い
◦ハンス・ブルーメンベルクの「前兆」の研究 ─歴史は繰り返すのか?

6 引き波 Ressac
◦言語(ラング)と表現(パロール)の結び目の場所を指し示す
◦ジュディス・バトラーとフェミニズム運動の経験
◦ミシェル・ド・セルトーの「パロールの奪取」と五月革命

7 誤りの繰り返し Récidive
◦フロベールの未完小説「ブヴァールとペキュシェ」
◦永遠に学べない二人
◦歴史という壮大な漫画の疲れを知らぬ登場人物たち

著者 マチュー・ポット=ボンヌヴィル (Mathieu Potte-Bonneville)
1968年、フランス中部のティエールで生まれる。哲学者で、ミシェル・フーコーの研究者として著名。パリの総合文化施設、ジョルジュ・ポンピドゥー国立芸術文化センターで映画や演劇、討論などの催しを担当するディレクターをつとめている。著書には本書以外に、「Michel Foucault, l'inquiétude de l'histoire」(PUF, 2004)や、歴史家フィリップ・アルティエールとの共著「D'après Foucault」(Les Prairies ordinaires, 2007)など。また、最新刊としてマリー・コスネイとの共著、「Voir venir - écrire l'hospitalité」(Stock, 2019)がある。

訳者 村上良太
1964年、岡山県生まれ。映画の助監督を経て、TVの報道・ドキュメンタリー番組のディレクターをつとめる。著書に「立ち上がる夜 <フランス左翼>探検記」(社会評論社)など。

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投稿者: 社会評論社 サイト

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