東京新聞 2020年11月15日付け 書評「農村共同体の可能性問う」評者 奥山忠信
大内秀明/著
日本におけるコミュニタリアニズムと宇野理論
─土着社会主義の水脈を求めて─
(ダルマ舎叢書Ⅳ)
いま甦る晩期マルクスによる「共同体社会主義」の思想。W・モリス、E・B・バックスそして日本の労農派社会主義者と宇野弘蔵の接点を検証し、コミュニタリアニズムの水脈を探る。
本体2300円+税 A5判並製216頁ISBN978-4-7845-1370-3
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【主要目次】
序 甦るK・マルクス、W・モリスそして宮沢賢治へ
第1章 土着社会主義の源流を訪ねる
第2章 土着社会主義の水脈を求めて
第3章 土着社会主義としての労農派の位置づけ
第4章 マルクス・レーニン主義と労農派社会主義
第5章 労農派コミュニタリアニズムの群像(1)宮沢賢治
第6章 労農派コミュニタリアニズムの群像(2)宇野弘蔵
第7章 コミュニタリアニズムと宇野・三段階論
第8章 晩期マルクスとコミュニタリアニズム――W・モリス/E・バックスの『社会主義』との接点
あとがきに代えて コロナ危機とエコロジーへのアプローチ
宮沢賢治は花巻農民学校や羅須地人協会で、農民たちにW・モリスの思想を講義していた。「芸術をもてあの灰色の労働を燃やせ」というモリスのキーワードを英語で板書していたそうだ。そして「世界ぜんたいが幸福にならないうちは個人の幸福はありえない。」と『農民芸術論』で賢治は主張している。(本文より)
大内秀明 おおうちひであき 東北大学名誉教授、仙台・羅須地人協会代表。著書に『恐慌論の形成―ニューエコノミーと景気循環の衰滅』(日本評論社)、『賢治とモリスの環境芸術』(時潮社)、『ウイリアム・モリスのマルクス主義』(平凡社)、『自然エネルギーのソーシャルデザイン』(鹿島出版会)などがある。
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