佐々木健悦/著『コトバニキヲツケロ! 現代日本語読本』(SQ選書13)が発売になりました。
歪められたコミュニケーションを正すのは、「自由に浮動する知識層」のはずだが、今やその多くは御用学者、御用専門家、御用ジャーナリストに成り下がった観がある。彼らは「職業上の義務」を果たしていない。福島第一原発事故後の彼らの言動がその悪例である。
彼ら有識者の専門知識と研鑽は素人一般人を欺くためであったのか。社会学者R・S・リンドの『何のための知識か』という問いかけは今に通じる。彼らの煮え切らぬ言動に対する憤りが、本書著述の原動力になった。
(著者)
【目次より】
第Ⅰ部
何のために何をどう書くか
―G.オーウェルの散文論
第1章 オーウェルは何のために何について書いたのか
第2章 政治と知識人 ―自由に浮動すべき知識人
第3章 オーウェルのスペイン内戦参加
第4章 スペイン内戦体験とその後
第5章 如何に書くか ―G.オーウェルの散文論
第Ⅱ部
日本人のためになる日本語論
―目指すは「達意の実用文」
第1章 明晰達意の漢字仮名交じり文
第2章 漢字の活用
第3章 片仮名の活用と濫用
第4章 諸記号の活用と助詞「は」「も」
第5章 擬音語と擬態語の効用
第6章 文面と修飾の順序
第7章 日本語の欺瞞的運用
第Ⅲ部
欺瞞の言辞言説を質す言語時評
第1章 歪められたコミュニケーションの三つの型
第2章 日本国憲法の日本語文
第3章 欺瞞の言辞言説
(ささきけんえつ)東京外国語大学モンゴル語学科卒業。専門:社会言語学・モンゴル近現代史。現在、言語ジャーナリスト、コラムニスト。著書:『徳王の見果てぬ夢』『脱南者が語るモンゴルの戦中・戦後』『現代モンゴル読本』など。
(SQ選書13) 定価=本体2300円+税 |