今日の政治と司法を鋭く問う論集。
敗戦前後を通じて一貫するニホン刑事法制/刑事司法の古層を剔抉しつつ、それを通じて生じる刑罰権イデオロギーの換質を論及する。欧米の「理論」研究への偏重というニホン刑事法学の現状と課題に対するアンチ・テーゼとして、制度や理論の「原理」を発掘し改鋳するという、いわば「歴史的なものの理論化」への試みである。
第1章 国営刑罰の論理と心理 -国家テロルの偽装戦略-
第2章 プレ・モダンの刑法 -暴力行為等処罰法第一条「数人共同シテ」の意義-
第3章 暴力行為等処罰法の来歴 -「血なまぐさい歴史を持った法律」-
第4章 ニホン刑事司法への歴史の警告
第5章 ニホン型自白裁判の桎梏 -裁判員裁判と戦時体制下の刑事司法-
第6章 戦後刑事司法改革の蹉跌 -ニホン刑事司法の古層1-
第7章 思想司法の系譜 -ニホン刑事司法の古層2-
定価=本体4300円+税 ISBN978-4-7845-1874-6 A5判上製360頁
2021年1月刊
宮本弘典 みやもとひろのり 関東学院大学法学部教授 著書に『国家刑罰権正当化戦略の歴史と地平』(編集工房朔)『転落自白「日本型えん罪」はなぜ生まれるのか』(共著、日本評論社)などがある。
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