政権はそのエピゴーネンに引き継がれ、学会へのあからさまな政治介入が断行された。安倍政権がめざした改憲とあわせて、これを「〝新しい戦前〟の本格的な始まり」と視ることは、果たして誇張であろうか。日本学術会議会員の任命拒否問題を、喫緊のテーマとした講演録を掲載。
崩れた安倍一強の長期政権がもたらした日韓・日朝関係の混迷を、あえて一年前の講演から捉え返せば、その時から、時計の針は1ミリも前に進んでいないかのようである。政治の劣化と言わずにはいられない。(編者)
第Ⅰ講 日本学術会議会員任命拒否問題の背景にあるもの~腐敗する民主主義の果てに~
纐纈 厚 (明治大学特任教授)
第Ⅱ講 朝鮮半島情勢と日韓関係の展望
平井 久志 ジャーナリスト
第Ⅲ講 混迷を深める日本の政治と日韓関係 それをどう打開するか
小池 晃( 日本共産党書記局長)
〔著者紹介〕 ●纐纈 厚(こうけつあつし) 1951年生まれ。現在、明治大学特任教授(研究・知財戦略機構)、明治大学国際武器移転史研究所客員研究員。政治学博士。山口大学名誉教授。 主著:『日本降伏』(日本評論社)、『侵略戦争』(筑摩書房)、『暴走する自衛隊』(同右)、『日本海軍の終戦工作』(中央公論社・新書)、『田中義一 総力戦国家の先導者』(芙蓉書房)、『日本政治史研究の諸相』(明治大学出版会)、『戦争と敗北』(新日本出版社)、『崩れ行く文民統制』(緑風書房)、『重い扉の向こうに 歴史和解と戦前回帰の相克』(同)、『戦争と弾圧』(新日本出版社)等多数。 ●平井久志(ひらいひさし) 1952年、香川県生まれ。1975年、共同通信社入社。外信部、ソウル支局長、北京特派員などを経て2012年定年退社。現在、客員論説委員。2002年、瀋陽事件報道で新聞協会賞受賞。同年、同事件や北朝鮮経済改革など朝鮮半島報道でボーン上田国際記者賞受賞。 著書:『ソウル打令-反日と嫌韓の間で-』(徳間書店)、『北朝鮮の指導体制と後継ー金正日から金正恩へ』(岩波現代文庫)など。 ●小池 晃(こいけあきら) 1960年、東京都生まれ。1987年東北大学医学部卒業。東京都内での病院勤務を経て、98年参議院議員に当選(比例代表)し、現在4期目。参議院財政金融委員、国家基本政策委員。日本共産党政策委員長、副委員長を経て、現在、書記局長。 著書:『これからどうする!介護と医療』『どうする日本の年金』『小池晃対話集 政治に希望はある』(新日本出版社)
日韓記者・市民セミナー ブックレット3
政治の劣化と日韓関係の混沌
編集・発行人 裵哲恩(一般社団法人KJプロジェクト代表)
A5判112ページ ISBN978-4-7845-1148-8
2021年2月15日発売
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