カール・マルクスの思想と理論は、現代においていまだ有効か?
本書は、マルクス主義の家族論・所有論・国家論に対する徹底的な総批判であると同時に、マルクスのテキストを、人間疎外論や史的唯物論という常識的ドグマからもっとも遠い地点で、あえていえばアンチ・マルクスと紙一重の「臨界点」において再読し、なんとか救出しようという思考実験である。
【主要目次】
第Ⅰ部 家族論
1 家族論のプロブレマティク
2 『家族・私的所有・国家の起源』の家族理論
3 マルクス家族理論の発見
おわりに 21世紀「家族」のゆくえ
補論 夫婦別姓について
第Ⅱ部 私的所有論
1 私的所有というプロブレマティク
2 商品論の論理構造
3 交換過程論における私的所有論
4 価値形態論における私的所有論
5 私的所有論の再構成
おわりに 私的所有の物神性
補論 土地所有について
追補 情報の所有について
第Ⅲ部 国家論
1 方法としての日本資本主義論争
2 日本資本主義論争の国家論
3 国家論論争の展開
4 経済・法・国家の相関理論の構築に向けて
おわりに 21世紀国家論への道しるべ
補論 国家権力の物神的性格
*本書は、『コミュニタリアニズムへ―家族・私的所有・国家の社会哲学』を再編集し、新たに原稿を加えた新版です。
著者 青木孝平 あおき・こうへい 社会哲学研究。著書に『「他者」の倫理学—レヴィナス、親鸞、そして宇野弘蔵を読む』『経済と法の原理論—宇野弘蔵の法律学』など多数ある。
2021年3月下旬刊
【新版】家族・私的所有・国家の社会哲学 マルクス理論の臨界点
青木孝平/著
定価=本体2700円+税 ISBN978-4-7845-1875-3 四六判並製320頁
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