書評掲載
2021/8/1「北海道新聞」『新型コロナ災害緊急アクション活動日誌』書評「生活困窮者支援 現実綴る」(雨宮処凛氏)
「死のうと思ったが死ねなかった 最後だと思いSOSのメールした」
やり切れないほどの独りぼっち、路上からの悲鳴が止まらない!
原 作
瀬戸大作(パルシステム生活協同組合連合会職員。新型コロナ災害緊急アクション事務局長。)
企画・編集
平山 昇(SOHOだるま舎を起業。2019年よりダルマ舎叢書を刊行。)
土田 修(中日新聞(東京新聞)記者をへてフリージャーナリスト。ル・モンド・ディプロマティーク日本語版編集委員兼理事。)
新型コロナウイルス拡大に伴い、深刻化する貧困問題を共同して解決するために、2020年3月に41のさまざまな社会運動団体が決起した。
社会の底が抜け落ちてしまい、生きるためにSOSを発する人々に向けての多様なアクションが開始された。その最前線における人びとの連帯のドキュメンタリー。写真多数。
*コラム*
瀬戸大作君の活動から社会の変革について思うこと 山本伸司
このまま消えてしまうのではないか―― 藤田和恵
瀬戸さんと協同組合運動と共生の社会づくり 野々山理恵子
コロナ禍における外国人の社会的排除 稲葉奈々子
“私たちはこの国の主権者だ。政府や官僚の奴隷ではない。私たちには腐り切った政治に「ノー」をいう権利がある。「連帯と共感の力」によって政治に大きな変革を求め、誰もが生きやすい社会を作り出す権利がある。瀬戸さんたちによる「新型コロナ災害緊急アクション」はその第一歩にすぎないが、歴史に刻まれる大きな一歩になるにちがいない。”白石孝「エピローグ」より
2021年6月18日刊予定
A5判ソフトカバー/216頁 定価=本体1800円+税
ISBN978-4-7845-1371-0
購入サイト
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掲載情報
・朝日新聞 2021年6月4日 「(インタビュー)SOS、駆けつける理由 新型コロナ 反貧困ネットワーク事務局長・瀬戸大作さん」→ 配信先サイト
一般社団法人 反貧困ネットワーク
「人間らしい生活と労働の保障を実現し、貧困問題を社会的・政治的に解決すること」(同ネットワーク規約第4 条)を目的に、市民団体や労働組合、政治家、弁護士などさまざまな団体や個人が連帯し協力し合って貧困問題に取り組むネットワーク。2007 年10 月に設立され、2021 年4 月に一般社団法人になった。代表世話人は弁護士の宇都宮健児さんで、事務局長は瀬戸大作さん。
シンボルマークの「ヒンキー」は黒いお化けのキャラクターで、なかなか目に見えにくい「貧困」をイメージしている。本部は東京にあるが、全国各地にネットワーク団体があり、協力関係の下、学習会や相談会、「大人食堂」など食糧支援活動を行う一方、政府や地方自治体に働きかけ社会問題化することで、貧困問題の根絶を目指している。
同ネットワークは、コロナ不況で仕事や住居を失い、生存を脅かされた人たちを直接支援するため、2020 年3 月に「新型コロナ災害緊急アクション」をスタートさせた(参加団体は瀬戸大作さんのプロローグ内に記載)。困窮者に緊急小口給付を行うなど活動を支えるための「緊急ささえあい基金」は昨年4 月に発足したが、既に1 億2,000 万円の寄付が集まり、路上生活を余儀なくされた人たちや外国人たちの「命」をつないでいる。