親子の引き離しの現実を共有する語りの建白書。
共同親権は離婚を経験した親子だけの問題ではない。夫婦別姓や婚外子、同性婚、養子縁組や虐待、相続についても、あらゆる家族の問題で共同親権をどうするかがテーマになる。
それは家族をめぐる個々人の希望がもはや一つではなく、そしてにもかかわらず多くの人が家族に希望を求めていることの裏返しだ。共同親権とともに変わる、社会と家族のあり方の今後を考えてみたい。(本書より)
目 次
1 「共同親権」って何だ?
スコット・マッキンタイアさんが訴えたかったこと
「共同親権」っていったい何?
国内外の親権ギャップ
自分には関係ない?
恐ろしくって結婚できない
共同親権訴訟をなぜ起こした?
共同親権訴訟で何を訴えたい
2 今の日本の家族のあり方、問題あるの?
なぜ拉致と批判されるのか?
先に連れ去った者勝ち
「原則面会交流実施論」って何?
連れ去りは「日本の伝統」なのか?
男女平等憲法でも温存された単独親権制度
裁判所と弁護士会は拉致推進勢力
進化する引き離しの手口
共同親権はバックラッシュ?
戸籍が問題では
嫡出子が「子どもの福祉」
家庭裁判所は家制度の門番
民事不介入が連れ去りを擁護する
3 どうして議論がかみ合わない?
EUの対日非難決議
ハーグ条約反対運動
DVが問題?
単独親権殺人
背景にある男性差別
会わせないのに金をとるのか?
離婚産業が問題?
面会交流支援もビジネス
DVにも連れ去りにもない刑事介入
犯人は単独親権じゃなくてDV施策の性差別
合意できないのが問題?
「単独親権制度でも会える親はいる」?
ほんとうに共同親権で協力できる?
再婚家庭では子どもが混乱する?
親の権利VS子どもの権利― 二つの「子ども」をめぐる議論の混乱
父親がかかわったほうが母子ともにいい影響がある
「反対」ではなく「慎重」なわけ
4 共同親権で何がどう変わる?
単独親権制度が子育て改革を阻む
「私もお父さんに会いに行っていいと思った」
引き離された母親たちのオブジェクション
共同親権を望む「シングルマザー」たち
対立していても共同養育はできる
フランス人と結婚した父親の現実
「争ってくれたほうがよかった」
ステップファミリーが虐待を生む
婚姻制度は重すぎた
「子どもに親にさせられる」
共同親権は子育て支援の切り札
共同親権=あなたがここにいるだけで価値がある
著者紹介 宗像充 むなかたみつる 1975年大分県生まれ。ライター。自らの体験から共同親権運動をはじめ「共同親権集団訴訟」で国を訴える。著書に『ニホンオオカミは消えたか?』(旬報社)、『引き離されたぼくと子どもたち』(小社)、『南アルプスの未来にリニアはいらない』(オフィスエム)、『ニホンカワウソは生きている』(旬報社)ほか。
2021年12月9日刊
共同親権
宗像充/著
定価=本体1700円+税 ISBN978-4-7845-2415-0 四六判並製208頁
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