掲載情報
週刊仏教タイムス 4月7日付本だな欄 北島義信/著『宗教と社会変革 土着的近代と非暴力・平和共生世界の構築』紹介記事が掲載。
いくつかの地域の事例を通じて、「土着的近代」を考える材料を提供し、 従来の「資本主義vs社会主義」という枠組みだけでは捉えることができなかった、 平和構築の主体者としての人間の意識化・主体化・連帯の新たな視点を提起する。(寄稿 趙晟桓 「土着的近代」で再び繋がる東アジア)
目 次
はじめに
私の生い立ちと宗教文化
宗教の現実観と人間の意識変革
第1章 アリー・シャリーアティーにおける宗教と社会変革
1970年代における途上国世界の社会変革と宗教の結合
[1]アリー・シャリーアティーにおける文化的疎外論
[2]アリー・シャリーアティーにおける「めざめた」知識人像
[3]アリー・シャリーアティーの「自己認識」「意識化」と社会変革
[4]アリー・シャリーアティーと社会主義思想
第2章 南アフリカのアパルトヘイト撤廃運動における宗教の役割
1970年代における黒人意識運動とスティーブ・ビコ
[1]アパルトヘイト体制とビコにおける黒人像
[2]ビコにおけるキリスト教
[3]ビコの指導した黒人意識運動の意義
1980年代以降の反アパルトヘイト運動とキリスト教
[1]「黒人意識運動」から「カイロス文書」への展開
[2]「カイロス文書」の理論的発展深化
[3]1980年代における宗教の社会変革の到達点
デズモンド・ツツ名誉大主教におけるウブントゥ思想と和解の実現
[1]「ウブントゥ」思想とは何か
[2]「ウブントゥ」思想と「真実和解委員会」(1996―1998年)
第3章 南アフリカにおけるキリスト教徒と社会主義者の連携
アパルトヘイト撤廃を目指す連携運動の歴史
宗教者による共産主義・社会主義の理解
キリスト教と無神論
共産主義者・社会主義者から見た宗教
宗教と社会主義思想の相互関係性
まとめにかえて:南アフリカにおける社会変革と宗教の役割
第4章 日本の「近代」国民国家形成期における宗教と社会変革
欧米近代における宗教と国家の関係
日本における国民国家形成と宗教
日本における国民国家形成のイデオロギーに抗する浄土真宗の抵抗運動
[1]越前護法一揆(1874年)
[2]石見国安濃郡・邇摩郡騒動(1872年10月)
明治初期(1870―1874年)における浄土真宗一揆の共通点・特徴
第5章 韓国における東学運動と社会変革
崔済愚(チェ・ジェウ)における東学思想
[1]崔済愚の時代認識
[2]崔済愚における「侍天主(シチョンジュ)」概念
崔済愚における開闢概念と輔国安民
崔済愚と「有無相資」の共同体「接」
東学思想の実践と全琫準(チョン・ボンジュン)
田中正造の東学評価と民衆宗教としての富士講
まとめ
第6章 戦後日本における仏教と社会変革
靖国神社国家護持法案と仏教
[1]靖国神社国家護持法案に対する教団・宗教者の連帯
[2]「公式参拝」と宗教教団・宗教者の反対運動
靖国問題と宗教者(真宗者)の意識化
[1]天皇制国家における浄土真宗の靖国化とその克服
[2]1990年代における仏教教団の戦争加担の自己批判
[3]信仰の回復としての珠洲市における反原発運動
まとめ
終章 土着的近代と非暴力的・平和的共生世界の構築
[1]土着文化の根源となる宗教の特徴
[2]「オリエンタリズム」の特徴
[3]「オリエンタリズム」から「土着的近代論」へ
「土着的近代論」の今日的意義
寄稿 「土着的近代」で再び繋がる東アジア 趙 晟 桓
あとがき
2022年3月2日刊
宗教と社会変革 土着的近代と非暴力・平和共生世界の構築
北島義信/著
定価=本体2200円+税 ISBN978-4-7845-1374-1 四六判並製248頁
北島義信 きたじま・ぎしん 正泉寺国際宗教文化研究所所長、三重宗教者平和協議会代表。四日市大学名誉教授。専門は現代英語圏アフリカ文学・インド文学・文化論、宗教社会論。近著として『土着と近代』(共著、音羽書房鶴見書店)、『ブラック・ライブズ・スタディーズ』(共著、三月社)、『宗教と社会主義の共振』(共著、ロゴス)など多数ある。
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