「働きつつ学び研究する」(生き方)の略語が、「働学研」である。社会人の学び・研究を支援する「働学研(博論・本つくり)研究会」は、2019年7月に発足した。月例会は60数回を数える。そこで発表・議論し、磨かれた論文などを基に社会評論社から出版されたのが、下記の7冊である。いずれも70歳代以降に仕上げられたライフワーク出版である。90歳代の初出版も含まれる。仕事と研究に裏打ちされた珠玉の知恵が脈打つ。これらを、「働学研双書」として紹介したい。青壮年社会人の出版も、これからの楽しみである。
人生のロマンと挑戦
「働・学・研」協同の理念と生き方
十名直喜 著
著者は鉄鋼マンとして製鉄所21 年、大学教員として大学28年にわたり、「働きつつ学び研究する」という「働・学・研」協同の生き方を貫いてきた。その歩みと理論・思想・ノウハウが示されている。
サステナビリティの経営哲学
渋沢栄一に学ぶ
十名直喜 著
サステナビリティと経営哲学を問い直し、体現者としての渋沢栄一に光をあてる。彼が創造した日本資本主義のシステム、その理念と原点に立ち返り、日本社会を立て直す智慧と処方箋を汲み出す。
人類進化の傷跡とジェンダーバイアス
家族の歴史的変容と未来への視座
横田幸子 著
700万年にわたる人類進化史の上に立って、現在進行中のジェンダー諸問題に迫る。人類進化の視点、さらに女性の目線から、体系的かつダイナミックに切り込み、独自な処方箋まで提示する。
市民と行政の協働
ごみ紛争から考える地域創造への視座
濱 真理 著
ごみ処理施設の建設は、 必要と知りながらも敬遠しがちな懸案課題。 それに正面から向き合い、種々の紛争事例をふまえ、 市民と行政が対立から協働へと向かう道筋を提示する。
循環型地場産業の創造
持続可能な地域・産業づくりに向けて
熊坂敏彦 著
企業経営における伝統と革新の相剋、ものづくり・まちづくり・ひとづくりの循環・融合。そこから紡ぎ出される、地域を主体にした壮大な循環型地場産業、統合型地域産業政策構想。
学びと生き方のリフォーム
AI 時代の人間・労働・経営
十名直喜 著
人間とは何か。学びのあり方、人間的な生き方とは何か。AIの進化は、私たちに鋭く深く問いかける。俯瞰的、等身大の両視点からアプローチし本質と課題を明らかにする。
生産力、情報と地域、学びのダイナミズム
中小企業と市場からの視座
小野滿 著
中小企業に半世紀、92歳(男性)初のライフワーク出版。在野一筋の卒寿者が説く、珠玉の生き方・学び方。生産力、情報、学びの歴史的地平、技術、競争、市場、消費のあり方を提示する。