問題は、そのプーチンを追い詰め、戦争にまで駆り立てた世界全体の構造にある。
それは、近代化が生み出した制度への根本的問いかけを含むものだ。
つまり、本書で語りたいのは、制度が軋み、爆発したという世界秩序のほうであり、プーチンはそのなかに登場する「悪人」の一人にすぎない。
「プーチン3.0 殺戮と破壊への衝動」より
著者略歴
塩原俊彦 しおばら としひこ 評論家。陸海空およびサイバー空間にかかわる地政学・地経学を研究。元高知大学大学院准教授。著書:【ウクライナ】『ウクライナ戦争をどうみるか』『復讐としてのウクライナ戦争』『ウクライナ3.0』【ロシア】『プーチン3.0』『プーチン露大統領とその仲間たち』【エネルギー】【権力】『なぜ「官僚」は腐敗するのか』『官僚の世界史:腐敗の構造』『民意と政治の断絶はなぜ起きた:官僚支配の民主主義』【サイバー空間】『サイバー空間における覇権争奪:個人・国家・産業・法規制のゆくえ』【地政学】『知られざる地政学:覇権国アメリカの秘密』ほか多数